● 西郷寅太郎(習志野収容所長・陸軍大佐)
明治天皇深く南洲翁の偉勲を偲び、明治35年侯爵を授け賜った。
大正7年(1918)11月、第一次世界大戦はドイツの敗北。そして、うちひしがれる習志野のドイツ兵をあざ笑うように、スペイン風邪が襲いかかってきたのであった。12月に最初の死者が出て、次の犠牲者は西郷所長であった。大正8年1月1日、朝から高熱を出していた西郷所長は医師が止めるのも聞かず、乗馬で収容所へ向った。年頭のあいさつとして敗戦の衝撃に沈んでいるドイツ兵を励まし、この新年が彼らにとって帰国の年となることを伝えようとしたのである。あるドイツ兵は、所長の死亡はこの日の午後4時であったと、敬意を込めた墓碑銘のように記している。享年54歳。
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